パブリック・クラウド用の IP クォーラム・アプリケーションの構成

IP クォーラム・アプリケーションは、別個のサーバーまたはホスト上で稼働する Java™ アプリケーションです。IP クォーラム・アプリケーションは、イーサネット・ネットワークで、システム上の半分のノードまたはエンクロージャーが使用不可になる障害シナリオを解決するために使用されます。このシナリオでは、このアプリケーションは、どのノードまたはエンクロージャーがホスト操作の処理を続行できるかを判別して、システムの半分が両方とも入出力処理を別々に続行する分割システムを回避します。

IBM Cloud™ のベアメタル・サーバーまたは仮想サーバーのいずれかに少なくとも 1 つの IP クォーラム・アプリケーションが必要です。IP クォーラム・アプリケーションは、IBM Cloud 構成の 2 ノード・システムと 4 ノード・システムの両方で必要です。2 ノード・システムでは、IP クォーラム・アプリケーションはノード障害発生後に可用性を維持します。4 つのノードがあるシステムでは、IP クォーラム・アプリケーションは、その他の障害シナリオに対処するために必要です。IP クォーラム・アプリケーションは、IBM Cloud の別個のベア・メタル・サーバーまたは仮想サーバーで実行される Java™ アプリケーションです。現在、3 番目のサイトのクォーラム・ディスクを使用している場合は、その 3 番目のサイトを削除してから IP クォーラム・アプリケーションを使用する必要があります。

IP クォーラム・アプリケーションの使用には、IP ネットワークに関する厳密な要件といくつかのデメリットがあります。システム構成の特定の側面が変更される場合、IP クォーラム・アプリケーションを再構成してホストに再配置する必要があります。例えば、システムのノード (またはホット・スペア・ノード) を追加あるいは削除した場合や、ノードのサービス IP アドレスを変更した場合などです。その他の例として、システム証明書の変更やイーサネット接続の問題の発生が挙げられます。イーサネット接続の問題により、IP クォーラム・アプリケーションはまだオンラインになっているノードにアクセスできなくなります。IP アプリケーションがオフラインの場合、システム構成が変更されているため、IP クォーラム・アプリケーションを再構成する必要があります。管理 GUI に IP クォーラム・アプリケーションの状態を表示するには、「設定」 > 「システム」 > 「IP クォーラム」を選択します。lsquorum コマンドを使用して、IP クォーラム・アプリケーションの状態を表示することもできます。

IP クォーラム・アプリケーションは、IBM Cloud 内のベアメタル・サーバーまたは仮想サーバーのいずれかで稼働します。この IP クォーラム・アプリケーションは、ノード間で通信の中断が発生している場合にどのノードが操作の処理を続行するかを判別するよう機能します。ただし、IP クォーラム・アプリケーションは、システムのリカバリーに使用される構成データを保管することはできません。システム・データが必ず復元されるようにするために、この目的のベアメタル・サーバー上の内部ディスクから内部ディスクが 1 つ自動的に割り当てられます。このローカル・ディスクには、障害シナリオ時にシステム構成を復元するために使用できるメタデータが保管されます。

IP クォーラム・アプリケーションは、外部ストレージが構成されていない、単一サイトまたは標準トポロジーで構成されているシステムに対して、クォーラム・デバイスとして機能することもできます。この構成ではシステム・タイ・ブレーク機能が使用可能となり、システムのノードまたはエンクロージャーの半分がアクセス不能な場合に入出力処理が自動的に再開されます。

配置できる IP クォーラム・アプリケーションの最大数は 5 です。 ただし、IP クォーラム・アプリケーションの複数のインスタンスを同じホストあるいはサーバー上で稼働することはできません。 ホストまたはサーバーごとにサポートされる IP クォーラム・アプリケーションのインスタンスは 1 つのみです。複数のホストまたはサーバー上で IP クォーラム・アプリケーションを構成することで、冗長性を提供することができます。

システムによって提示されるストレージに依存するホスト上に IP クォーラム・アプリケーションを導入しないでください。そのようにすると、IP クォーラム・アプリケーションがストレージにアクセスできないことが原因で、ノードが入出力を処理するために IP クォーラム・アプリケーションを検出する必要があるときに検出できなくなる可能性があります。

IP クォーラムの要件

安定したクォーラム解決のために、IP ネットワークは以下の要件に対応する必要があります。
  • IP クォーラム・アプリケーションを実行中のサーバーからすべてのノードまたはノード・キャニスターのサービス IP アドレスへの接続。IP ネットワーク・セキュリティーの構成が誤っている場合、この接続はサービス・アシスタント・インターフェースへのアクセスにも使用される可能性があるため、ネットワークは、サービス IP アドレスの公開に伴うセキュリティーへの潜在的な影響にも対処する必要があります。
    注: SSL 証明書を ECDSA 鍵と一緒に使用しないでください。さもないと、IP クォーラム構成は失敗します。
  • IP クォーラム・アプリケーションを実行する各サーバーで、IP クォーラム・アプリケーションが格納されているディレクトリーに許可ユーザーしかアクセスできないことを確認してください。
  • ホストからすべてのノードまたはエンクロージャーに通信するために、IP クォーラム・アプリケーションではポート 1260 が使用されます。
  • 遅延は往復で最大 80 ミリ秒 (ms) (片方 40 ms) を超えてはなりません。
  • システムとクォーラム・アプリケーションの間のトラフィックに対して、最小 2 MB/秒の帯域幅が保証されます。

IP クォーラムのインストール

ノードの追加、サービス IP アドレスの変更、または SSL 証明書の変更によって構成を変更する場合、IP クォーラム・アプリケーションをダウンロードして、再度インストールする必要があります。管理 GUI を使用する前に、IBM Cloud ポータルにログインしていることを確認してください。IP クォーラム・アプリケーションをダウンロードしてインストールするには、以下の手順を実行します。
  1. 管理 GUI で、「設定」 > 「システム」 > 「IP クォーラム」を選択して、目的のバージョンの IP クォーラム Java アプリケーションをダウンロードします。コマンド・ライン・インターフェース (CLI) を使用して mkquorumapp コマンドを入力し、IP クォーラム Java アプリケーションを生成することもできます。このアプリケーションは、システムの dumps ディレクトリーにファイル名 ip_quorum.jar で保管されます。
  2. IP クォーラム・アプリケーションを実行する予定のサーバーまたはホストで、IP クォーラム・アプリケーション専用のディレクトリーを個別に作成します。
  3. IP クォーラム・アプリケーションを、システムから IP クォーラム・アプリケーションを実行するサーバーまたはホスト上の個別ディレクトリーに転送します。
  4. ホスト・サーバーで ping コマンドを使用して、ホストがシステム内の各ノードのサービス IP アドレスとの接続を確立できることを確認します。
  5. ホストで、コマンド java -jar ip_quorum.jar を実行して、IP クォーラム・アプリケーションを初期設定します。
  6. IP クォーラム・アプリケーションがインストールされ、アクティブであることを確認するには、「設定」 > 「システム」 > 「IP クォーラム」を選択します。新規 IP クォーラム・アプリケーションは、検出されたアプリケーションの表に表示されます。 システムが自動的に、クォーラム・ディスク用の MDisk を選択します。 システム CLI で lsquorum コマンドを使用して、IP クォーラム・アプリケーションが接続され、アクティブ・クォーラム・デバイスになっていることを確認することもできます。クォーラムとして使用されている MDisk をコマンド・ライン・インターフェースを使用して変更する場合は、chquorum コマンドを使用します。

IP クォーラムを構成した後、コール・ホームの構成を参照して、コール・ホームをセットアップしてください。